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学びの意味を問い直す——「どうして学ばないといけないの?」レポート
2025.02.19

学びの意味を問い直す——「どうして学ばないといけないの?」レポート

子どもたちに「どうして勉強しなきゃいけないの?」と聞かれたとき、大人はどんな言葉を返せるでしょうか。英語ができると友達ができる、いい大学に行くため……そんな実利的な答えが浮かびますが、本当にそれだけでしょうか?

多くの人が疑問に思ったり、問われたことのある「どうして勉強しなきゃいけないの?」に自治体の長である阿部知事が個人としての経験や過去を踏まえながら、塾を経営し、作家でもある鳥羽和久さんと共に考え議論した内容をレポートいたします。

「レールを外れること」への恐れと希望
登壇者の一人、鳥羽和久さんは、塾の枠を超え、単位制高校や本屋、イベントスペースまで運営しながら、塾に来た子がイベントに参加したりするような「道草できる場所」をつくっています。一方で、阿部守一・長野県知事も自身の高校中退経験を振り返り、「レールを外れる不安は大きかったが、そこから新しい道が開けた」と語ります。彼らの話は、社会が決めた「正解」だけが学びのゴールではないことを示しています。

学校は社会の縮図でなくてもいい
「学校は社会に適応するための場所ではなく、もっと広く豊かな視点を授ける場であるべきではないか」と鳥羽さんは問いかけます。それを受けて、阿部知事も「学びは社会の現状をなぞるものではなく、未来を切り開くもの」とし、今の教育の枠組みを見直す必要があると語ります。

学びは楽しいもの? それとも苦しいもの?
学ぶことは本当に楽しいのか? 鳥羽さんは「中高時代の勉強は面白くなくて当然」と率直に述べ、知事も「学びの苦しさの先に、自分にとって楽しいことを見つける瞬間がある」と語ります。学びは、すぐに役立つものとは限らない。しかし、それが長い時間をかけて「引き出し」となり、ふとした瞬間に未来を照らすものになるかもしれません。

「選ばなかった道」も人生の糧になる
「どの道を選んでも、選ばなかった道が後に糧になる」と鳥羽さんは語ります。選択に責任を持たされる時代だからこそ、「選べなかったことも大切にする」という視点が求められます。

このイベントでは、学びを「やらなければならないもの」から「自分を形作るもの」として捉え直すヒントが詰まっています。大人も子どもも、一緒に考えたい問いがたくさんあります。ぜひ、動画でその対話を体感してみてください。