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WEEK 2
立場を越える
【開催終了】20年続く地域通貨コミュニティが自治(つく)り続けること
映画『もうひとつの明日へ』制作記念 ※ 映画のオンライン鑑賞方法は後述
新しい学習指導要領に示された「主体的・対話的で深い学び」は、多くの人が賛同する共通の方向性を示している一方で、そういった学びが日常においてどのような光景・シーンになって表れるのかということを、具体的にイメージできる人はどれくらいいるでしょうか。
2020年、一本の映画がつくられました。
千葉大学大学院デザインコース後期博士課程在学中の中国からの留学生である孟晗(もうがん)さんが、長野県上田市で20年続く地域通貨団体「蚕都くらぶ・ま〜ゆ」の人々の日常に惚れ込み、日本の他の地域や母国の人々に伝えたいと想い、制作した映画です。
この映画の冒頭には、ミヒャエル・エンデ『モモ』より以下の引用があります。
”しだいしだいに子どもたちは、小さな時間貯蓄家といった、顔つきになってきました。やれと命じられたことを、いやいやながら、おもしろくもなさそうに、ふくれっつらでやります。そしてじぶんたちの好きなようにしていいと言われると、こんどはなにをしたらいいか、ぜんぜんわからないのです。”
ミヒャエル・エンデ『モモ』より
「蚕都くらぶ・ま〜ゆ」の人々は、自分たちでお金をつくる過程において、なにをしたいのか、なににどんな価値を見出すのかを、その決定権を自分たちの手に取り戻しながら、豊かなつながりの中で共に学び合う社会を、20年という長きに渡って試行錯誤しながら今もつくり続けています。それはまさに、Learn by Creation NAGANOの大きなテーマである「自治る(つくる)」ことであり、地域に根差し、立場を越えた多世代の「主体的・対話的で深い学び」の風景であると思います。
本プログラムでは、東京都市大学都市生活学部准教授でコミュニティマネジメントを研究され、ご自身も様々な地域のコミュニティ事業を手掛ける坂倉杏介さんをホストに、本映画監督である孟晗さんや、蚕都くらぶ・ま~ゆ代表の安井啓子さんを交えながら、「自治る(つくる)」プロセスの重要性について対話していきます。
本プログラムは、映画『もうひとつの明日へ』を事前に鑑賞していなくても楽しめる内容になっておりますが、ご興味を持っていただいた方や、より深い気づきや学びを得たいとお考えの方に向けて、オンラインでの映画鑑賞(有料:1150円)をご案内しております。以下のリンクよりご鑑賞ください。
<オンラインイベントについて>
本イベントは、全てオンラインでの開催になり、ZOOMというシステムを利用します。ご自身のPCやスマートフォンからご参加いただけます。インターネット回線が安定した環境でのご参加をお願いいたします。
<申し込み期限について>
チケットの申し込みは、開催される週の水曜日までになります。
- Week 1 ( 1/9 、1/10 ) は、1/6 10:30 まで
- Week 2 ( 1/16、17 ) は、1/13 10:30 まで
- Week 3 ( 1/23、24 ) は、1/20 10:30 まで
Han Meng
孟 晗
生まれも育ちも中国吉林省吉林市。日本映画の大ファン。『男はつらいよ』を繰り返し見ることが趣味。
2011年、中国・江南大学経済学部卒業後、来日。2016年、千葉大学大学院デザインコース博士前期課程修了。現在、同コース博士後期課程在学中。研究テーマは地域通貨・内発的地域活性化。
地域通貨を活用する持続可能な暮らしづくりをテーマとしたドキュメンタリー映画『もうひとつの明日へ』(「蚕都くらぶ・ま〜ゆ」とL&Rプロダクションと千葉大学デザイン文化計画研究室により協働制作)で監督デビュー。同映画は岡山映画祭に招待上映(2020)。現在、各地にて自主試写会を実施中。
Keiko Yasui
安井 啓子
「蚕都くらぶ・ま~ゆ」世話人代表。NPO法人上田市民エネルギー理事
NPO法人食と農のまちづくりネットワーク理事(2017まで)。元上田市教育委員。
名古屋市生まれ。名古屋市と京都市で小学校教員を務める。上田市に移住後、上田子ども劇場運営委員長として地域の子育て文化運動に関わる。上田市教育委員や各種審議会委員、うえだ環境市民会議運営委員などを歴任。
これらの経験を通し、住民一人一人が自ら学び判断力を高めることが必要と考え、住民主体の学びの場『明日を創るトーキングプラザ21』を仲間と始める。ここで「地域通貨」の学習会を開催。特にNHK:BS「エンデの遺言~根源からお金を問う~」に大きな衝撃を受けた。この学習会参加者を中心に、2001年「蚕都くらぶ・ま~ゆ」を設立。世話人代表になる。ま~ゆの人の繋がりを活かし、食や農、エネルギーの地産地消をすすめるNPO法人が設立され理事を歴任。
Kyosuke Sakakura
坂倉 杏介
東京都市大学都市生活学部准教授。博士(政策・メディア)。専門はコミュニティマネジメント。三田の家LLP代表、NPO 法人エイブルアートジャパン理事ほか。
多様な主体の相互作用によってつながりと活動が生まれる「協働プラットフォーム」という視点から、地域や組織のコミュニティ形成手法を実践的に研究。芝の家やご近所イノベーション学校(港区)、おやまちプロジェクトや世田谷コミュニティ財団(世田谷区)をはじめ、様々な地域のコミュニティ事業を手掛ける。現在、ウェルビーイングな地域を実現するリビングラボ・プロジェクトを大学の地元・世田谷区尾山台にて進行中。
共著に『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』(BNN出版)、『コミュニティマネジメント つながりを生み出す場、プロセス、組織』(中央経済社)など。
Itsuki Sasaki
佐々木 巌
Learn by Creation Nagano 事務局。
デザインリサーチャー。ストラテジックデザイナー。インタビューや行動観察といった質的なリサーチを通じて、新しい事業機会や既存事業の新たな視点を発見し、対話・ワークショップをベースとした組織の意思決定や事業創出を支援。
IT企業、コンサルティングファームを経て現職。2021年より東京都目黒区と長野県佐久市の二拠点生活を開始。
一般社団法人 Learn by Creation 理事。長野県佐久市の複業人材活用による地域活性化プロジェクトYOBOZE!コーディネーター。